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幾何学模様のブログ みずすましの図工ノート

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タイルを2種類以上使った模様の場合、どんな基準で縮尺を標準化すべきか。アルキメデスの平面充填を例に考えてみる。今回は、結論から図示しよう。

模様展示の標準化 その3_a0180787_22152612.gif


どのようにして、この縮尺を選んだのか。注目しなければならないのは、くり返しの単位(ユニット)の面積である。まず、それぞれの模様の中から、そのくり返しの単位を見つけてみよう。

模様展示の標準化 その3_a0180787_2219087.gif


ユニットの選び方は、必ずしも上の図の形に限らないのだが、たとえば、薄い赤色の図形をコピーして張り合わせて行けば、平面を隙間なく敷き詰められることが分かるだろう。このユニットの面積を揃えれば、縮尺が決まることになる。

いきなり面積を揃えるのは大変なので、先に辺の長さを1としたときの各ユニットの面積を求めてみよう。

模様展示の標準化 その3_a0180787_22582586.gif


これから、面積を揃えた時の辺の長さを逆算する。面積は縮尺の2乗に比例するから、よく考えると、次のようになる。

模様展示の標準化 その3_a0180787_22584253.gif


すなわち、この辺の長さが、求めようとしたところの縮尺であった。

じつは、これは「模様展示の標準化 その2」の(3)で、タイルの面積を揃えたことの自然な拡張になっている。正方格子、正三角形の格子、正六角形の格子のときには、タイル自身がユニットになっていた訳である。

なお、今回、ユニットの選び方として、ひとつの制限を設けていた。「平行移動だけで平面充填できるようなユニット」というのがそれである。この条件を緩めて、回転移動を構わないことにすると、#02のユニットは#01のユニットと同じ形にすることができる。そうすると縮尺の基準も変わってしまうのだが、どちらの基準がよいだろうか。

さて、今回はくり返し模様のとき、縮尺の基準をどう選ぶかの話だった。次回は、ペンローズタイルのように、模様がくり返さないときにどんな基準が考えられるか。それを検討してみたい。
# by j344 | 2013-02-17 23:00 | 幾何学模様大図鑑
模様展示の縮尺を標準化したい。どんな基準が考えられるだろうか。正方格子以外に、正三角形の格子、正六角形の格子を使って考えてみる。

(1) 辺の長さを等しくする
まず辺の長さを揃えてみよう。各タイルサイズの比は次の通り。

模様展示の標準化 その2_a0180787_1259354.gif


これを敷き詰めてみる。

模様展示の標準化 その2_a0180787_12591814.gif


正六角形のタイルが大きすぎて、右端がスカスカになってしまうのが問題だ。もっと辺の数が多い正多角形、たとえば正12角形などを使い始めると、三角形とのサイズ差はさらに大きくなる。

模様の種類によって、模様の見易さが変わってしまうのがよくない。この方式は除外しておこう。

(2) 直径を等しくする
サイズ差が問題だったので、直径を揃えてみよう。タイルの直径とは、ひとつのタイルに含まれる2点間の距離の最大値(この場合、図の赤線部の長さ)である。

模様展示の標準化 その2_a0180787_130766.gif


これを敷き詰めてみる。

模様展示の標準化 その2_a0180787_1259552.gif


印象の上でも(1)よりは統一感が出たのではないかと思う。しかし、よく考えてみると、この(2)の方式はタイルを2種類以上使った模様の場合には使えない。

(3) 面積を等しくする
タイル1枚の面積を揃えてみよう。

模様展示の標準化 その2_a0180787_1303461.gif


これを敷き詰めてみる。

模様展示の標準化 その2_a0180787_1301551.gif


理屈では、額縁におさまるタイルの枚数が同じ(25枚)になるはずである。(2)と比べると、六角形はより小さく、三角形はより大きくなっている。

25枚がよいのかどうかはともかく、この(3)の基準を縮尺標準化の本命として進めたいのだが、先ほど(2)で問題になった点、タイルを2種類以上使った模様の場合はどうだろうか。それを次回検討してみたい。
# by j344 | 2013-02-16 13:04 | 幾何学模様大図鑑
たとえば、幾何学模様大図鑑を構想するとき、何らかの基準による模様展示方法の標準化が必要になるだろう。模様を並べて見せるとき、基準がバラバラだと見づらいだけではなく、これとこれは同じ模様か、それとも違うのかなど、混乱の元になってくるからだ。

どういう基準でその標準化を考えるのか。ひとつの軸として、対称性が考えられる。もともとの模様が持っている対称性を、展示の仕方によって損なうようなことは、なるべく避けたいからだ。もうひとつの軸は、多種多様な模様に対する汎用性だ。頼りない道具立てだが、どこまで行けるか考えてみよう。

たとえば、正方格子を考えてみる。色を付ければ市松模様にもなるが、この際、着色や線の太さのことは無視しよう。どのようにディスプレイするか。自由度は4つある。(1)角度、(2)中心の位置、(3)額縁の形、(4)縮尺だ。

(1) 角度

模様展示の標準化 その1_a0180787_2340134.gif


角度を変えるだけで、印象が違って見えるかもしれない。額縁を含めて考えると、このうち、右端のパターンだけは、標準化の候補から除外しておいた方がよいだろう。左のふたつに比べて、対称性が減ってしまうからだ(たとえば鏡像と自分自身を比べてみよう。左の二つは自分の鏡像と重ね合わせるとぴったり一致するのだが、右端のはそうならない)。

(2) 中心の位置

模様展示の標準化 その1_a0180787_23402124.gif


中心の位置だけ変えてみた。これも右端のパターンだけ、対称性が低い(前項と同様、鏡像と重ならない)。標準化の候補から除外したい。

(3) 額縁の形

模様展示の標準化 その1_a0180787_23405016.gif


角を丸くした額縁や、長方形の額縁、三角形の額縁、その他、任意の輪郭の額縁で模様をカットすることができる。三角形の額縁など奇抜すぎると思われるかもしれないが、選んだ模様が三角格子だったらどうだろう。対称性の観点からは、正方形の額縁より適していると考えることもできる。
しかし、多種多様な模様に対して、それぞれに最適な額縁を選んでいたのでは、模様展示の統一感が失われるだろう。ここは汎用性の観点も必要だ。配置した際の紙面や画面を有効利用するには、長方形。しかも、90度回転した際に対称性を失いにくいという利点から考えると、つまらない結論ではあるが、正方形の額縁がベターではないだろうか。

(4) 縮尺

縮尺については、模様のサンプルとして正方格子だけを考えていたのでは、充分な議論ができない。次回の記事では、この点を掘り下げてみたい。
# by j344 | 2013-02-13 23:49 | 幾何学模様大図鑑

世界のタイル博物館

出張で、やきものの街、常滑を訪ねることになった。INAXライブミュージアム『土・どろんこ館』の特設展「日本の白い壁―石灰がつくり出す多様な世界」の取材である。

取材先を調べて驚いた。なぜ模様好きの私に、こんな仕事が回ってくるのか。日ごろの行いが良いせいか。INAXライブミュージアム内にあるのは『土・どろんこ館』だけではなかった。装飾タイルの発展史を紹介する、日本で唯一のタイル博物館『世界のタイル博物館』が存在したのである。http://www1.lixil.co.jp/museum/



公私混同でしょうか。いいえ、天の配材です。と、金子みすゞのようなことをつぶやきながら迎えた2月6日(水)。雪の予報にもめげず、新幹線は名古屋まで走った。

同行者の都合だってある。『土・どろんこ館』の取材だけで退散する可能性もなくはなくて、そのときは覚悟しようと思っていたのだが、結局のところ覚悟せずに済んだ。INAXライブミュージアムのご厚意でその他の施設もご案内いただくことになったのである。『世界のタイル博物館』については、一般の写真撮影も自由ということなので、その折の写真を一部、ここに掲載する。

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世界のタイル博物館_a0180787_14574189.jpg
世界のタイル博物館_a0180787_14575218.jpg


平面充填のことを数学では、タイリングまたは、タイル張りと言ったりするのだけれど、それは模様好きの、タイルに対する勝手な思い入れに過ぎない。『世界のタイル博物館』の展示は、とうぜん模様を軸に編集されている訳ではなくて、文化史に主眼がある。あくまで物としてのタイルに即している。

けれど、初めて見る模様も多く、広報担当の方に解説を頂きながら、充実した時間を過ごすことができた。お土産に本を4冊も買ってしまった。

世界のタイル博物館_a0180787_1458871.jpg


ちなみに私が映り込んでいる写真は『土・どろんこ館』のトイレである。ここは模様のブログなので詳細は書かないけれど『世界のタイル博物館』以外の各館も貴重なコレクションが目白押しで、非常に興味深かった。建築・装飾・やきもの・土・トイレなどに興味のある方は、いちど訪ねられては如何だろうか。
# by j344 | 2013-02-11 15:00 | 紹介

歯車03

歯車模様のアニメーションをつくるとき、各歯車が同じところで回っているだけだと変化がない。

モーターを固定していたら、歯車が回るばかり。歯車を止めてみれば、モーターが回るはずだ。ということで作ってみたのが、次のアニメーション。

歯車03_a0180787_20184399.gif


実際には、この、円で示しているのが歯車なので、個々の歯車が回りながら、全体が回る感じになると思う。回転の中心の歯車だけが止まっている。

こんなふうに、回転の中心が移っていくアニメ。他に可能な歯車の初期配置はないだろうか。

ここまで紹介した中では、このブログの「歯車01」の項。(3)の配置が該当する。今回90°回転だったところを、120°回転にかえればいい。
# by j344 | 2013-01-03 20:29 | 動く壁紙

幾何学模様について研究するブログです。幾何学模様大図鑑の制作を目指しています。


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