模様展示の標準化 その7
個々の模様を指すのに番号をつけておこう。図の上段左から、pmm-1,pmm-2,pmm-3.中段も左からpmm-4,pmm-5,pmm-6.下段、左からpmm-7,pmm-8,pmm-9とする。つまり、ストラックアウト(的抜き)みたいな並べ方だ。
1 2 3
4 5 6
7 8 9
pmmの格子は長方格子。左右対称、かつ上下対称の模様である。このうち、pmm-1,pmm-2は、うまく膨らましてやると「模様展示の標準化 その5」で紹介したp4mという分類の模様になる。
pmも長方格子。pmmと比べると対称性がひとつ減る。左右対称性はあるが、上下は対称ではない模様である(という言い方は、向きの標準化に依存するのだが)。
pmmと同様のナンバリングをする(以下同様)。pm-3は「千鳥格子(hound tooth)」を脱色したもの。pm-5は、中村義作(1980)「コンクリートの美学 ブロック舗装,タイル張りなどによる造形手法の追求」『セメント・コンクリート (通号 398) 1980-04』p15にある模様である。
cmmも左右対称かつ上下対称である。ただし、格子がpmmと異なる。cmmの格子は、面心長方格子(またの名を菱形格子)という。
cmm-1は『伏見康治コレクション第1巻 紋様の科学』p100によれば「れんがづみ」。cmmには、日本の伝統文様が沢山含まれる。cmm-2は「松皮菱」、cmm-3は「網目」、cmm-5は「立湧」という(寝かせてしまったけれど)。cmm-6は以前にも紹介したアルキメデスの平面充填形のひとつである。cmm-7は、ええと。アルハンブラ宮殿のタイルを脱色したものだったかな。
cmmの仲間にも、うまく膨らますとp4mになるものがあるのだが、今回は採集し忘れた。
cmはcmmと同じく面心長方格子。左右対称だが上下対称ではない。
cm-7は伝統文様の「青海波」。cm-8は、何だったか。たしか異国の模様だ。cm-9はふたたび、中村義作(1980)「コンクリートの美学 ブロック舗装,タイル張りなどによる造形手法の追求」からの借用である。
今回は、ここまで。あとは、pmg、pgg、pg、p2、p1の5つである。