レプタイル その1
によれば、n-レプタイルとは、次の条件(*)をみたす平面領域Rのことである。
(*) Rに相似なタイルをn個使ってR自身をタイル張りできる。
自分の縮小コピーn個で自分自身を分割できる、と言い換えても構わない。レプタイル(rep-tile)というのは、数学者ソロモン・ゴロムの命名で、「レプ」は本によってreplicationだとかreplicatingだとかreplicaだとか書いてあって、よく分からないけれど、日本語だと「複製」というのが適当なところだろう。「(自己)複製タイル」という訳である。爬虫類(reptile)に語呂合わせしてあるらしい。模様とどんな関係があるのかは後で考えることにして、とりあえず例を並べてみよう。
内角が直角の倍数のものばかり集めてみた。たとえば(2)は2-レプタイル。(3)は3-レプタイルである。(5)~(7)を見るとこのL字型は、4-レプタイルであると同時に、9-レプタイル、36-レプタイルでもある。この他にもレプタイルは沢山ある。
(25)~(28)あたりになると、多角形ではなくなって、頂点の数が無限個必要である。素焼きのタイルで作ることは不可能だけど、数学的にはとくに問題ない。
レプタイルの例の収集には、wikipediaの記事の他、模様の世界のバイブルを参考にした。ちなみに、この本の中ではレプタイルではなくて、"k-similarity tiling"と呼ばれているみたいだ。
レプタイルについて調べる中で、尊敬する折り紙作家の前川淳さんの名前がヒットした。前川淳さんの折り紙設計が、レプタイルに影響を受けていたということが、今回、改めて分かった。思わず、すでに絶版の名著のコピーを国会図書館に頼んでしまった。