折り紙でペンローズタイルを作る試みにはいくつか前例がある。

ロバート・J・ラングさんのペンタジア(平面に正投影するとペンローズタイルになるユニット折り紙)

などである。

一方、ペンローズタイル自体を折紙作品の展開図だと思って折ってやると、何ができるだろう。もちろん、そのまま(ひし形のタイルのまま)では上手く折れないので折り線を足す必要がある。試行錯誤。トライしてみると、案外きれいに折れて面白かった。
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前例がないかどうか、三谷純さんに聞いてみたら「聞いたことがないですので、面白い試みですね」とのお返事を頂き、これは有望かもしれないぞと嬉しくなってしまった。折る前の原紙はこれである。
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どういう経緯でこれを思いついたのか。私の所属するパズル懇話会の会誌の編集を今回仰せつかったのだが、この会誌、モノクロ印刷である。表紙に使えるいい模様はないかと、過去のブログ記事を読み返していたら「ペンローズタイルの作り方」の途中段階、二等辺三角形タイリングの状態が二色で塗り分けできることに気が付いた。

ここで、ふと折り紙の「二色定理」を思い出した(平坦に折り畳める折り目で区切られた領域は、二色で塗り分けが可能である)。川崎定理 の条件も満たしているみたいだ。逆は必ずしも真ならずではあるのだが、何だかこれは折れるのではないか。折ってみよう。試しに折ってみたら、できてしまった。という訳で、もしも会誌がフルカラーであったなら、おそらく今回の発見はなかったのである(平坦折りについての解説は、三谷純さんの折り紙研究ノートをご参照頂きたい)。

山折り谷折りは試行錯誤で決めたので、分析が行き届いておらず、どこが山でどこが谷かを描き込んだ展開図はまだ作っていない。たぶん、前川定理の条件(平坦折りの頂点に集まる「山折り」と「谷折り」の数の差は±2)も満たしているとは思うのだが、大局的には平坦に折り畳めないらしい。

他の非周期模様(たとえば、Danzer's 7-fold variant)や、もっと大きなサイズのペンローズタイルが上手く折れるかどうか。これも気になるところである。
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とりあえず、今日はここまで。

by j344 | 2014-05-22 23:40 | 折り紙 | Comments(1)

5月4日(日)『多面体木工』で有名な、中川宏さんにお会いして来ました。

多面体木工(増補版)

佐藤 郁郎,中川 宏/特定非営利活動法人 科学協力学際センター


訪れたのは、山口県萩市にある「積み木インテリアギャラリーいたち丸」。昨年の夏頃にオープンしたそうです。ゴールデンウィークは、息子の初節句のお祝いのため山口県に帰省していたのですが、調べてみると、実家から車で1時間くらいの場所にありました。思い立ったが吉日。電話でアポイントを取って、妻と子とうちの親父と、4人で向かいました。

予備知識ほとんどなしで伺ったのですが、壁の写真には私も知っている方々のお顔がちらほら。中川さんのお人柄もあって、じつに楽しい時間を過ごすことができました。

妻と私がチャレンジしたのは、正十二面体の切り出し体験
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1種類の治具を使って、立方体を12回カットするだけで、発泡スチロールの正十二面体ができてしまいます。
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赤いのは目印の線です。お土産に二個頂きました(お代は材料費のみ)。

切り出し体験もさることながら、展示物には、いろんな木のオブジェが沢山。
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これは三種類の立体(正十二面体と立方体とジョンソン・ザルガラー多面体)による、空間充填。

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平面の裁ち合わせを応用したパズルもありました。

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工房の色んな治具。

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庭のブランコ。

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もうひとつお土産に、息子のための歯固めも頂きました。

家族連れ、しかも私を含む3人は風邪を引いていたために、1時間ほどで退散してしまいましたが、1人ならたっぷり半日は居座っていたのではないか。また帰省した折には押しかけようと思います。

多面体好き、幾何学ファンの皆様。山口県にご用の際は、ぜひ「積み木インテリアギャラリーいたち丸」まで、足を伸ばしてみては如何でしょうか。

by j344 | 2014-05-22 17:20 | 紹介 | Comments(0)